日本財団 図書館


 

コンピューターの取り扱い及びトラブル発生時の修復、並びに乗組員の短期間での交替等においても操作が容易なものとするために、システムの簡素化、作業の標準化等を図り、これらに対応しやすいものとする必要がある。
c.信頼性の向上
機器の信頼性については従来より強く叫ばれており、関係者も努力してきたところではあるが、就航船の故障を皆無にできないのが実状である。
近年、耐熱耐久性に優れた新素材や先端技術の進展に伴い、これらの要素、技術を導入した機関等も開発されてきており、これらを採用することにより、いっそうの信頼性の向上を図ることができる。
機器の整備基準については、運転状況を船内で監視するほかに、これらの情報収集について陸上からも支援するシステムを構築することにより、信頼性、安全性の向上を図ることができる。
(2)環境の改善
a.振動・騒音の低減
船体各部の振動・騒音は、各部で発生したそれぞれが重なり合って起こっている。これらを低減するためには、主機関、発電機、空気圧縮機等の防振支持及びスキュープロペラ等の採用によって起振力を低減したり、機関室及び居住区囲壁には吸音材、制御材を施工して透過音、伝搬音を低減する必要がある。
一般に高齢化が進めば、内耳や聴神経に老人性変化が起こるが、平均寿命が延びれば、それだけ老人性難聴が増加することになる。ある調査によれば(船員災害防止協会、騒音性難聴とその防止対策)最小可聴域の比較で60歳以上のそれが20代の半分以下に低下する。といわれる。
作業場での指令や合図等の意思の伝達が円滑にゆかず、これによる事故の発生は、しばしば見聞きするところであるが。従来の船内指令装置を十分活用することの他、昨今、ハンディでポータブルな連絡装置を利用できるので、これらも考慮すべきである。
b.居住環境の改善

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION